最近よく目にするフレーズである。先の海上保安庁への批判にもあったようだ。米ハリウッドで、大規模なストライキが起きたことも記憶に新しい。
程度が違うと叱られそうだが、私が社会人になってコンピュータプログラムのコーディングを勉強した頃は、基本的にプログラマがコードを一つ一つ紡いでいた。コンピューティング環境(メモリなど)も現在に比較すれば全く小さなものだったので、その小っちゃな環境で動作するソフトウェアを設計してコードを書くことは当時は職位技で、職場にはまだ職人と呼べるような人もいた(入出力に用いる穿孔された紙テープを読める先輩がいて驚愕した・・この意味が分かる人も少なくなったと思うが)。ただその頃でもすでに職人技から、プログラミングは工学的な理論に基づく技法へと変わりつつあったが、それから40年が経って、今やAIがコードを生成するようになり、プログラマの仕事は変容しつつあるだろう(なくなってはいないと思うが)。
時代をちょっと遡ってみれば、ルネッサンス以降、おしなべて言えば写実性が追求された絵画の世界では、写真の発明によって、とりわけ肖像画家の仕事が激減したということもあった。一方で、他にも理由はあったのだろうが、絵を描く意味が深く洞察されることとなり、印象派やその後の多様な主義が生まれるということとなった。写実的であっても絵画であること、絵画を描くことの意味はあると私は思うので、どこまで破壊的な出来事であったのかは私如きには分からないが。 <続く>