緩い話題を続けていたので、たまには堅い話題を。
今年度の政府の「知的財産推進計画」を眺めてみた。毎年のことだが、この国の凋落を何とかして脱却して国富に結び付けなければという思いから書かれているのだろう。そんな思いの詰まった力作に、生半可な知識の底の浅い私ずれが物申す(「分からん」というだけです)のは、失礼千万であるのは承知しているが、雑感を記す。
「未来志向の戦略的な投資を促進し、新しいアイディアや研究成果を活かし、SDGsに掲げられたような社会課題の解決につながる高付加価値な新製品や新たなサービスを生み出し続けていくことが重要」(p.1)・・・。のっけから頭の中でグルグルして読み進めない。例えばSDGsの幾つかのゴールに関わる環境問題と対立するビジネスで国富へ貢献するのはダメなのだろう。国連のグレーレス事務総長の過日の演説では、化石燃料産業は完全に悪玉だ。
環境問題とビジネスを二項対立としないでアウへーベンすれば、新しいビジネスが生まれるということなのだろう。もっと単純に発想(連想)しても、例えば、ガソリン車は温室効果ガスをまき散らすから、化石燃料を使わないEVの方が良さそうだが、発電で化石燃料を使わないようにしなければ意味がない(カーボンニュートラル燃料の研究もあるらしいし、電池の製造工程での環境負荷や、電池が重くて環境負荷が上がるという指摘もあるが)。化石燃料を使わないとするなら原子力か再生可能エネルギー由来の電気でなければ。ただ原子力だと核廃棄物はどうするのか。環境問題は脱炭素だけではない。SDGsとの関係は微妙だと思う。そうすると再生可能エネルギーをもっと安価で潤沢に得られるようにしなければ・・・。日本の供給エネルギーのうちで再生可能エネルギーの占める割合は(水力除く)は10%強程度しかない。そこに技術革新や技術改良が生まれて、それがビジネスとなってという好循環を期待するのだろう。そこまでは分かる。そしてそこで、その技術は知財で保護してと、ようやく知的財産が出てくる。<続く>