少し間が空いてしまったが、前回の引用部分「未来志向の戦略的な投資・・・生み出し続けていくことが重要」の続きには「こうしたアイディアや研究成果を迅速かつ効率的に社会実装するためには、知的財産と収益のつながりを可視化することが求められている」と記されている(可視化?ん?)。

知的財産が得られたとして、それを排他的に権利行使して技術を使える人が増えないとすると二項対立の解とは言いにくくないか。では使えるようにお金で解決しましょう、ならいいのかな・・・。知的財産権(いや経済原則か)には、元々、持つ者をより持つ者に、持たざる者をより持たざる者にする性質=マタイ原理があるとも思うが、お金を払えないと使えないとか格差を助長するというのはSDGsと対立しないのかな・・・。このような出口のない愚者の論法を、どなたか頭のクリアな方に誤りだと指摘して欲しいと思う。そんなに綺麗に整理できないのだから、一つ一つを地道にやって少しずつゴールへ向かうつもりでいきましょうよと言ってくれれば分かるかも。

ところで「可視化」というのは、つまるところ知的財産を経費ベースで見るのではなく、無形固定資産として計上してマネジメントせよということのようだ。確かにどれだけの知的資産を持つのかが明らかになる。それを開示することで投資を呼び込めるということか。ただ、課税したいという意図があるようにも思う。そもそも何を資産額の根拠にするのか。まさか特許の出願・維持費用? 研究開発費と特許数は1対1に対応するわけでもない(特許にならないものもごまんとある)。特許を取っても実施する製品等が市場に出せるのはいつになるか分からない場合もあるし、その製品等が使用される社会や市場が予想通りに形成されるとも限らないし(バックキャストと言うが、非常に確度の高い未来を簡単に描ければ事業活動に苦労はない)、減価償却をしていくのだろうが収益を生むのは除却の後の確率も高いかもしれず(そうすると、資産計上してマネジメントするという意味はそもそも何?)・・・こちらも私の誤りを指摘してもらいたい。知財戦略計画をちゃんと読めていない、私には読みこなすだけの基礎知識が欠けているだけで、分かる人が読めば何の迷いも疑問もないのかもしれない。

 

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July 5, 2024 • 3:42PM

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