台風10号で被災された方々にお見舞いを申し上げる。勢力が強烈であるのに遅い。発生してから1週間が経つが未だに予報円も大きく進路も定まらず、来週火曜日頃までの10日以上、日本付近にありそうだ。科学技術で制御できないスケールの自然現象だが、強烈な台風が続くのは温暖化の影響で海水温が高いことが一因ということだから、根本を治癒していかなければと思う。

さて、タイトルで表しているものも制御できないスケールの自然現象の一つ。意味が分かる人は、私と似たような趣味をお持ちの方に違いない。多くの方は、ナニコレ?だろう。

この記号は、2023年の1月前半に3番目に発見された長周期の彗星を意味している。彗星が発見されると国際天文連合で振られるのがこの符号。この彗星は、発見した天文台等の名前からとって「ツチンシャン(紫金山)・アトラス(ATLAS)彗星」と呼ばれている。久しぶりに北半球でも肉眼で見える程度に明るくなると期待された彗星で、最も太陽に近づく近日点では0等級を超えるとの予報がある。太陽系の外縁部にあるオールトの雲と呼ばれる彗星の巣のようなところから旅をしてきて、9月末に太陽に最も近づき、その後また宇宙の彼方に旅立っていく。その帰路に北半球では姿を見ることができる。約8万660 年という長周期の楕円軌道で太陽の周りを回っている。そんな天体との邂逅にはロマンを感じる。8万年前の人類が同じ彗星を見たかは知る由もないが、8万年前というと旧石器時代で、しかも日本ではホモサピエンスはまだいなかったらしい。宇宙スケールの出来事では珍しいことではないが、人類の歴史は瞬間的なことで、まして人生など儚い。

1986年のハレー彗星は思ったほど尾は長くなく残念だったが、1997年のヘールボップ彗星は長い尾を何度も観望に出かけた。10月中下旬頃からの27年振りの彗星観望を昨年から楽しみにしていたのだが、この彗星、バラバラに崩壊するとの予想も出ている。さて、太陽を無事に回って戻ってくるかどうか。

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