カリフォルニア州中央地区連邦地方裁判所
原告:LOS ANGELES TIMES 、THE WASHINGTON POST COMPANY およびその全株式保有会社
WASHINGTONPOST.NEWSWEEK INTERACTIVE COMPAY
対
被告:FREE REPUBLIC,ELECTRONIC ORCHARD, JIM ROBINSONおよび氏名不詳者 1〜10
全員。
CASE NO.CV 98-7840-MMM(AJWx)
原告の一部サマリ・ジャジメントを求める申立を認め、
被告のサマリ・ジャジメントを求める申立を却下する仮決定
原告Los Angeles Times とThe Washinton Postは、印刷版およびオンライン版の新聞を発行する。被告Free Republic は「掲示板」ウエブサイトで、その会員はそのサイトを使って新聞記事を投稿し、それに意見またはコメントを加えている。そうするとそのサイトの他の利用者はその記事を読み、自分たちのコメントを加える。大部分はFree Republic の会員がニュース記事の全文を投稿し、その中にはLos Angeles Times ウエブサイトとWashington Postウエブサイトから取られたニュース記事の逐語的コピーがある。原告の訴状は、ニュース記事のFree Republic サイトへの無断のコピー行為と投稿が著作権侵害を構成すると主張する。被告は現在サマリ・ジャジメントを申立てて、ニュース記事の彼らのウエブサイトへのコピー行為はフェアユースの法理によって保護されていると主張する。原告は一部サマリ・ジャジメントの交差申立を提出して、被告は抗弁としてフェアユースを援用することはできないと主張する。
フェアユースの法理は、17 U.S.C. 107 条に明文化され、一定の目的のためには著作権のある著作物の複製を許す。107 条は、被告のコピー行為がフェアユースであるかどうかを決定するに当たり考察すべき4つの非排他的要因を挙げている。「(1) 使用の目的および性格、その使用が商業性を有するかどうか、または非営利の教育を目的するかどうかを含む;(2) 著作権のある著作物の性質;(3) 著作権のある著作物全体との関連における使用された部分の量および実質性;(4) 使用が著作権のある著作物の売上げ見込みまたは価値に及ぼす影響。」17 U.S.C. §107 。当事者の提出した証拠に基づき、当裁判所は第1、第3、および第4の要因が本件においてフェアユースの認定を妨げると結論する。第2要因は被告有利に傾く。しかしながら、均衡は原告側に傾き、従って当裁判所は、被告が本訴状に主張された著作権侵害の主張に対してフェアユースの抗弁を主張する権利はない、と認定する。
被告はまた修正1条が、被告のウエブサイトに原告のニュース記事を投稿することを保護すると主張し、大量のコピー行為がなければ、Free Republic の利用者は自分の批評やコメントを表現できないであろうと主張する。しかしながら、利用者の自由な表現の権利が保護され得る方法は他にもあって、当裁判所は著作権法の下で原告の権利を強行することが、被告の自由な言論の権利の許されざる制限となると結論することはできない。
1 。事実的背景[注 1]
原告は、LosAngelesTimesとTheWashinton Postを印刷およびオンライン「http://www.latimes.com」と「http://www.washingtonposy.com 」で発行している。 [注 2] 原告のウエブサイトはまたユ−ザーがお金を払って見なければならない保管された記事も含んでいる。[注 3] Times は保管記事1点を見るため1.50ドル徴収し、Postは時間帯によって1.50ドルから2.95ドル徴収する。[注 4]ウエブサイトはまた両新聞のために広告やライセンスの収入を生み出す。[注 5] 広告は「CPM 」(1000単位のコスト)で売られるので、この収入源から生ずる収入は一定期間にそのサイトが経験するトラフィック(traffic) の量によって決まる。[注 6]当事者は、無料で異なるサイトで保管記事にアクセスできることが、原告の保管記事を広告し、ライセンスし、販売する能力にどの程度まで影響するかを争っている。[注 7]
被告 Jim Robinson は残る2被告 Electronic Orchard とFree Republic の所有者であり経営者である。[注 8] Electronic Orchardは営利の有限責任会社で、今では活発に営業していないが、「インタ−ネットのプログラミングとデザインの業務を」行っている。[注 9] Free Republic は有限責任会社で、freerepublic.comを経営する。[注 10] このウエブサイトは l996 年以来営業してきたが、登録された利用者がニュース記事とそれに関するコメントをサイト上に「投稿」することを許している。[注 11] 登録会員は、その上で追加コメントを投稿することができる。[注 12] Free Republic は約 20,000の登録参加者を有している。ウエブサイトは1日 100,000ものヒット(hits)を受け、毎月25,000,000ページから50,000,000ページが見られている。[注 13]
原告はその刊行物とウエブサイトに記載されているニュース記事の「完全な」コピ−がFree Republic ウエブサイトに投稿されていると主張し、一方被告は、投稿されたどの記事も原本の「コピ−といわれるもの」にすぎないと主張する。被告は、利害関係者なら投稿が記事のそのままのコピ−であることを、原告のウエブサイトを利用して証明しなければならないと主張する。[注 14] しかしながら、被告は投稿の中には記事の原本の逐語的コピ−もあることを認めている。[注 15]
当事者はFree Republic が営利団体であるか非営利団体であるかを争っている。[注 16]この不一致といわれるものがあるにもかかわらず、Free Republic は現在営利有限責任会社であることに争いはないようである。被告Free Republic の会社弁護士は、1999年9月27日に設立された会社であるFree Republic Institute のために、税金免除の地位を得るための書面を目下作成中でる。[注 17] しかし国税庁には何も提出されていないし、税金免除の地位は未だ与えられていない。[注 18]
被告は、Robinsonがウエブサイトを設けるためにお金を貰っていないし、彼はFree Republicから給料を受けていないし、彼はそのサイトにバナ−(banners)またはリンク(links)を投稿してもほとんど補償を受けていない、と主張する。[注 19] 原告は Free Republic が商業広告、商品販売、販売できる消費者データ、寄付、「任意の」加入、および会費によって収益をあげていると反論する。[注 20] 原告はまたFree Republic がElectronic Orchardの事業の広告にも用いられていると主張する。[注 21]
これらの事項を被告は争って、さまざまな個人や団体に freerepublic.com サイトにリンクを張ることを許すことに対して、広告収入、手数料、又は寄付を受けていないと主張する。事実被告は、リンクは場合によってはそのサイトに第三者ユーザーによって投稿されたと主張する。[注 22] 被告は同様に、 Electronic Orchard はFree Republic ウエブサイトに現われるリンクから何らの商業的または金銭的利益を得ていないし、またRobinsonがそのサイトに Electronic Orchard の顧客のためにリンクを置いたのは、ひとえに好意としてであった、と主張する。[注 23] 被告は、Free Republic は消費者データを収集しないし、その登録ユーザーに関する如何なる情報も、如何なる他の団体に売ったこともないと、主張する。[注 24] さらに被告は、Free Republic 後援者の会員組織とは何らの関係もなく、その団体から得る会費収入も全然自分の利益とはならないと主張する。[注 25] しかし彼らは、Free Republic および/または Robinson への寄付が求められる場合、Free Republic が第三者後援者により運営される(run)ウエブページへのリンクに便宜を図ったことは認めている。彼らはまた、そのウエブサイトは寄付と交換にFree Republic 関連の記念品を提供する第三者のウエブペ−ジへのリンクを持っていることも認めた。[注 26]
当事者はまた、原告のニュース記事のFree Republic による使用が、Times のウエブサイトとPostのウエブサイト上のトラフィックの増減を引起こしているかどうか、それが原告のニュース記事の売上げを減殺しているかどうか、それが原告のその著作物のライセンス能力にマイナスの影響を与えているかどうか、をも争っている。被告は原告のウエブサイトは現に利用者が増えている、何故なら人はFree Republic を見た後にそちらへも行くからであると主張するが、[注 27] 原告はインタ−ネット・ユーザーが Timesまたは Post のウエブサイトを利用するよりもむしろ、freerepublic.comに投稿された記事を読む時にはトラフィックを失うと主張する。原告はまた、保管資料からの記事のコピ−を売る能力とその著作物をライセンスする能力は、Free Republic サイトでコピ−が無料で入手できるために減少しているとも主張する。[注 28]
U。議論
A 。サマリ・ジャジメントを求める申立に適用される法的基準
サマリ・ジャジメントの申立が認められるのは、「訴答書面、証言録取書、質問書への答弁書、公式記録上の自白、および、もしあれば、宣誓供述書が、重要事実に関して真正な争点がなく、申立当事者が法律問題として勝訴判決を受ける権利があることを証明している」場合である。連邦民事訴訟規則 56(c) 。サマリ・ジャジメントを求める当事者は、裁判所にその申立の根拠を知らせ、かつ重要事実の真正の争点のないことを証明する訴答および開示の回答中の箇所を指摘する、最初の責任を負う。参照、Celotex Corp. v. Catrett, 477 U.S. 317, 323 (1986)。正式審理になれば、申立当事者が争点に関して立証責任を持つことになる場合には、その当事者は合理的な事実認定者なら申立当事者勝訴以外の認定はできないであろうことを、肯定的に証明しなければならない。しかし審理において申立をしていない当事者が立証責任を持っているであろう争点に関しては、申立当事者は申立をしていない当事者の主張の根拠となる証拠がないことを単に指摘するだけで勝訴することができる。参照、同上。申立当事者がその最初の立証責任を果たした場合には、申立をしていない当事者はその場合宣誓供述書によって、または規則 56 条に定められた別の方法で、「正式審理をすべき真正な争点があることを示す特定事実」を述べなければならない。Anderson v. Liberty Lobby, Inc., 477 U.S. 242, 250 (1956); 連邦民事訴訟規則 56(e)。
サマリ・ジャジメント段階で証拠の判断を下すに当たって、裁判所は信憑性の決定をしないし、矛盾する証拠の較量もしない。むしろ裁判所は、申立をしていない方の当事者に最も有利なあらゆる推論を引出す。参照、T.W.Electric Service, Inc. v. Pacific Electric Contractors Ass'n, 809 F.2d 626, 630-31 (9th Cir.1987)。当事者の提出する証拠は証拠能力のあるものでなければならない。連邦民事訴訟規則 56(e)。宣誓供述書や申立書類中の断定的で推測的な証言は、事実の真正な争点を提起し、サマリ・ジャジメントを敗訴させるには足りない。参照、Falls Riverway Realty, Inc. v. Niagara Falls, 754 F.2d 49, 56(2d Cir.1955); Thornhill Pub.Co.,Inc.v.GTE Corp., 594 F.2d 730, 738(9th Cir.1979) 。
フェアユースは法と事実の混合問題である。Harper & Row Publishers, Inc. v. Nation
Enter., 471 U.S. 539, 560 (1985)。それにもかかわらず、フェアユースがサマリ・ジャジメントの段階でその争点を解決するのに適しているのは、経緯の事実に争いがなく、その事実から引出さるべき法的結論だけが問題である場合である。Los Angeles News Serv. v. Tullo, 973 F.2d 791, 796 (9th Cir.1992)(「地方裁判所が、事実をフェアユースの決定の際に考察した制定法上の要因の各々を評価するには十分であると認めた場合、争われている使用がフェアユースであるかどうかを法律問題として決定することができる」);Narell v.Freeman, 872 F.2d 907, 910 (9th Cir.1989)(「フェアユースは法律と事実の混合問題で、もし合理的な事実認定者が1つの結論だけに到達できるようならば、サマリ・ジャジメントで解決できる」); Hustler Magazine, Inc. v. Moral Majority Inc., 796 F.2d 1148, 1151 (9th Cir.1986) (「もし重要事実について真正な争点がないか、または対立する当事者に有利にすべての争点を解決した後であっても、合理的事実認定者が1つの結論だけに到達できるのであれば、裁判所は争われている使用が著作権のある著作物のフェアユースになるかどうかを、法律問題として結論を下すことができる」);Fisher v. Dees, 794 F.2d 432, 436 (9th Cir.1986)(争点がサマリ・ジャジメントで解決されたのは正当である。何故なら「本件では重要な背景的事実は争点ではなく、両当事者は承認された事実から引出された最終的結論のみを争っているからである」)。
B 。著作権侵害の要素
「著作権法は著作者の表現を保護する。著作物中の事実やアイディアは保護されない。」Shaw v. Lindheim, 919 F.2d 1353, 1356 (9th Cir.1990)。次も参照、Sid & Marty Kroft Television Productions v. McDonald's Corp., 562 F.2d 1157, 1163 (9th Cir. 1977) (「著作権のある著作物に与えられる保護はアイデイアの特定の表現のみに及び、アイディア自身には決して及ばないというのは、著作権法の自明の命題である」)。著作権侵害は、(1) 有効な著作権の所有、(2) 保護された著作物のオリジナルな要素のコピー行為、を証明することによって確定する。Feist Publications v. Rural Telephone Service Co., 499 U.S.340,361 (1991); Kouf v. Walt Disney Pictures & Television,16 F.3d 1042, 1043, n.2(9th Cir.1994) 。コピー行為を証明するには、原告は被告が著作権のある著作物にアクセスを有したこと、および著作権のある著作物と被告の著作物との間に実質的類似性があることを証明しなければならない。Brown Bag Software v. Symantec Corp., 960 F.2d 1465, 1472(9th Cir.1992); Chase-Riboud v. Dreamworks, Inc., 987 F.Supp.1222, 1224 (C.D.Cal.1997)。
当事者の申立の内容に進むに先立って、現在どういう争点に当裁判所の判断が求められていないかを述べることが重要である。当事者は著作権侵害に対する抗弁の成否を問題にしているから、その申立はさしあたり、そのような主張が証明できることを前提としている。当裁判所はそれがその通りであるかどうかは、本件で争われているニュース記事の「コピー行為」の多くが、Free Republic サイトの第三者ユ−ザ−によるコピー行為であるから、意見を述べない。当裁判所はまた、原告がその記事のコピー行為に何らかの方法で同意をしたかどうかについても、決定はしない。[注 29]
C 。フェアユースの抗弁
フェアユースの抗弁は著作権者の「著作権のある著作物をコピ−に複製する」排他的権利の制限である。17 U.S.C. §106(1)。それは 17 U.S.C.§107 に明文化され、次のように規定する:
第106 条および第106A条の規定にかかわらず、批評、解説、ニュース報道、授業(教室における使用のための多数の複製を含む)、研究、調査等を目的とする著作権のある著作物のフェアユースは、複製物またはレコ−ドへの複製その他第106 条に明記する手段によるフェアユースを含み、著作権侵害とならない。特定の場合に著作物の使用がフェアユースとなるかどうかを判定する場合には、次に掲げる要素を考慮する。
(1) 使用の目的および性質。使用が商業性を有するかどうか、または非営利の教育を目的とするかどうかを含む。
(2) 著作権のある著作物の性質。
(3) 著作権のある著作物全体との関連における使用された部分の量および実質性。
(4) 著作権のある著作物の売行き見込みまたは価値に対する使用の影響。
前記のすべての要素を考慮してフェアユースの事実認定が行われる場合には、著作物が未発行であるという事実自体は、そのような事実認定を妨げない。
フェアユースの法理は侵害の主張に対する積極的抗弁であるから、被告はこの争点に関する立証責任を負う。American Geophysical Union v. Texaco Inc., 60 F.3d 913, 918 (2d Cir.1995); Columbia Pictures v. Miramax Films Corp., 11 F.Supp.2d 1179, 1187 (C.D.Cal.1998)(「フェアユースは積極的抗弁であるから、被告はその要因すべての立証責任を負う」)。次も参照、 Dr. Seuss Enterprises, L.P. v. Penguin Books USA, Inc., 109 F.3d 1394, 1403(9th Cir.), cert. dismissed, 521 U.S. 1146(1997) 。
1 。使用の目的および性質
107 条に列挙された第一の要因は、「使用の目的と性質。使用が商業性を有するかどうか、または非営利の教育を目的とするかどうかを含む。」である。17 U.S.C. §107 。この要因は「新しい著作物が原創作の『目的物に代っただけ』か、それとも新しいもの、別の目的または異なる性格を加えて最初の著作物を新しい表現、意味またはメッセ−ジによって変えたものである」かどうかを評価する。「換言すれば、新しい著作物は『変形的』であるかどうか、その程度はどうかを問うのである。」。Campbell v.Acuff-Rose Music,Inc., 510 U.S. 569, 579(1995) (Folsom v. Marsh, 9 F.Cas. 342, 348 (D.Mass 1841)を引用)。「…新しい著作物が変形的であればある程、商業性のような他の要因で、フェアユースの認定を妨げるものの重要性が小さくなる」。Campbell, 上記 510 U.S. at 579。
争われている使用の性質と目的の検討は、制定法中に規定されている例によって導かれなければならない。すなわち、その使用が「批評、解説、ニュース報道、授業 … 研究、または調査」のためであったか、である。17 U.S.C. §107 ; Campbell, 上記。しかしこの列挙はそれに限ったり、特定の使用を推定的に公正として選び出したりする趣旨のものではない。Harper & Row, 上記, 471 U.S.at 561。実際、或る使用がこれらの範疇の1つに入るということは、「フェアユースの分析における1つの要因にすぎない」。同上。同様に著作権法は非営利と商業的使用とを区別するけれども、著作権のある著作物の商業的使用は必ずしも不公正と推定されるものとは限らない。Campbell,上記、510 u.S.579 。
a 。Free Republic の著作物の変形性の程度
Free Republic のウエブサイトに投稿されている記事の少なくとも一部は、原告の記事そのままのコピ−であることには争いがない。被告は投稿された何千もの Timesと Post のニュース記事が逐語的コピ−であることについて、裁判所に提出された「証拠はない」と主張するけれども、被告はそうではないという証拠を提出していない。[注 30] 被告はフェアユースの争点の立証責任を負っている。従って、被告がニュース記事のそのままのコピ−以外のものが投稿されているという事実に依拠したいと望む程度に、そうであることを証明する証拠を提出しなければならない。被告はそれをしていないから、当裁判所はフェアユースの第1要因を評価するためには、記事の全体または記事の一部の逐語的コピ−が用いられたものと前提する。[注 31]
著作物の全体または一部を逐語的にコピ−することに変形性はない。参照、Nihon Keizai Shimbun, 166 F.3d at 72 (侵害的なニュ−ス要約が「大部分、Nikkeiの記事の直訳である」場合、裁判所は第1要因は「フェアユースには強く不利に傾く」と認定した;Los Angeles News Service v. Reuters Television Int'l, 149 F.3d 987, 993(9th Cir.1998) (ニュ−ス・フッテ−ジ (footage)の無断コピー行為は「あまり変形的ではない」何故なら被告はフッテ−ジの「説明をしていないし、フッテ−ジの内容を編集していないし、編集コメントも含めていないからである」);Infinity Broadcast Corp. v. Kirkwood, 150 F.3d 104, 108 (2d Cir.1998) (被告が原放送を電話で転送した場合「変形はない」と認定);Religious Technology Center v. Netcom On-Line Communiction Services, Inc.,923 F.Supp.1231, 1243 (N.D.Cal.1995)(「Netcom On-LineU」)(被告が原告の著作権のある資料の一部をインタ−ネット上に投稿したことは、「典型的な批評者とは異なり、[被告は]新しい表現を教会の著作物にほとんど加えていないから、最小限に変形的であるにすぎない」)。
被告は、Free Republic ウエブサイトに原告の記事を投稿することは変形的である、何故なら登録利用者は各記事の後にコメントや批評を加えているからであると主張する。被告はこの根拠に基づいて、Nihon Keizai Shimbun事件と区別し、その追加が投稿を、翻訳された要約よりも著しく変形的なものにすると結論した。著作権のある著作物またははその一部の逐語的コピ−はその著作物を変形しない。ことにFree Republic のユ−ザ−による記事の最初の投稿がほとんどコメントを含んでいない場合にはそうである。参照、Twin Peaks Productions, Inc. v. Publictions International, Ltd., 996 F.2d 1366, 1375-76 (9th Cir.1993) (被告が「[テレビ・シリ−ズのエピソ−ドの]筋書きを、コメントや批評の変形的目的のため、基本の概略を単に識別する程度をはるかに越えて詳細化した事実は」、フェアユースの認定には不利に傾く。何故なら「著作権のある著作物の要約版は、一応侵害と認定される蓋然性があり」、被告の「要約は … 正当な[変形]目的に適うために必要な程度をはるかに越えて詳細に仕上げられているからである」);Toho Co., Ltd. v. William Morrow And Co., Inc., 33 F.Supp. 2d 1206(C.D.Cal.1998)(その侵害著作物はゴジラ映画の詳細な筋書きの要約を含んでいた事実などを根拠として、フェアユースの第1要因は著作権を持つ原告に有利に傾くと認定したが、その著作物はまた「コメント、些事その他の断片的情報を含む、無数の伝記[および]映画の分析」を内容としていたのである。)
上記Netcom On-Line U事件において、被告はインタ−ネット・ウエブサイトに Church of Scientologyが著作権を持つ著作物の逐語的コピ−を、「ほとんどコメントも批評もつけないで」投稿した。同上 at 1243 。裁判所は、その著作物は「典型的批評者とは異なり、[被告]は Church の著作物にほとんど新しい表現を加えなかった」から、「その著作物は最小限に変形的」にすぎないと認定した。同上。裁判所は被告のコピー行為が著作権法 107(1) 条にいうフェアユースであった、何故ならその後の利用者がさらにコメントを加えたからだという被告の主張を特に言及して退け、「黙示的ライセンスまたはフェアユースの議論を根拠として、著作者が以前に投稿した著作物」のコピー行為は正当化され得ることもあろうけれども、「最初の投稿によって著作権のある著作物の無断コピ−となった場合」にはそのような抗弁は提出できないと結論した。同上 at 1247, n.18 [注 32]
同様に、Religious Technology Center v. Lerma, 19076 WL 633131 (E.D.Va.1996) 事件において被告は、Church of Scientology が著作権を持つ著作物の一部を自分のコンピュ−タにダウンロ−ドまたはスキャンし、インタ−ネットに一部を投稿することによってコピ−した。同上 at *4。同被告は彼の使用は変形的である、何故なら彼は「Scientology の理論と学識を探求する熱心な研究者であり」、「『公衆の知識と理解に新しい価値を与える資料を提供し、それによって憲法に定められた著作権の目標を前進させている』のだから」と論じた。同上 at *5。裁判所は彼の主張を退けて、その主張は「著作権のある資料の大量コピ−行為と複製とを正当化するものではなく」、かつ「[被告による]コピー行為の程度は、インタ−ネットの投稿のほとんどにコメントがないことと相俟って、例外となる研究に当たるとはいえない。」と述べた。同上。[注 33]
同裁判所は同様に「[インタ−ネット・ニュ−ス・グル−プからの]投稿を後に見るために保存することは、Sony Corp.of America v. Universal Studios, Inc., 464 U.S.417(1984)事件で連邦最高裁判所が支持した、 VCRテ−プに[テレビ番組]を一時的に保存したことと区別ができない」という被告の主張を退けた。同上 at *6。同裁判所は、Sony事件の被告とは異なり、同事件の被告は Church が著作権を持つ著作物を「見るライセンスも、コピーするライセンスも持っていなかった」と述べた。同裁判所は、この事実であれば、もっと適切な類似状況は「Sony事件の被告が特別料金のケ−ブル・テレビからテレビ映画の無断コピ−を入手し、それから一般アクセス・チャンネルに再放映した」状況であったと述べた。このことは「明らかに禁止されるであろう」と同裁判所はいった。[注 33] 同上。[注 34]
被告は、このコピー行為が変形的であると否とにかかわらず、第1要因はそれにもかかわらず自分に有利に傾くはずである、何故ならその一般目的は批評であって -- それはTimes のウエブサイトや Post のウエブサイトに記事を投稿することによって達せられる目的とは異なる目的であるからだと主張する。被告は、 Timesのウエブサイトや Post のウエブサイトに記事を投稿することは、利用者がその2つの新聞に公表された最新ニュ−スを読み、保管された記事を研究することができるようにしていると主張する。被告は、これとは対比して、記事をFree Republic サイトに投稿する目的、すなわち、利用者に最新の出来事のメディア報道にコメントし、批評できるようにする目的をあげる。被告は、最新記事を読むためにFree Republic サイトを用いることは実際的ではない、何故なら情報がサイトに投稿される時間と第三者のサーチエンジンによって索引が付けられる時間との間には遅延があるからであると主張する。[注 35] さらに被告は、検索の不正確さによって保管された記事を彼らのサイトで見つけることが困難になる、と主張する。原告はこれらの主張を争って、Free Republic のサーチエンジンは即時検索を可能にしているという。[注 36] 原告は、もっと根本的に、たとえその記事を投稿する一般目的がコメントや批評の育成であるとしても、究極的にその目的は「人が通常原本を得ようとするその目的、すなわち、[コメントを加えるウエブサイト利用者が]原本を見なければならない場合、即座に参照でき---入手できるようにするその目的」と同じである、と主張する。American Geophysical Union v. Texaco, Inc., 60 F.3d 913, 918 (2d Cir.1995)(裁判所は、従業員に科学雑誌や医学雑誌の無断写真コピ−を作成し、すぐ見られるように事務所に置くことを奨励した被告に、フェアユースの第1要因は不利に傾くと認定した)。
Free Republic サイトに記事を投稿する主要な目的は、登録ユ−ザ−の議論、批評、コメントの便を図ることであるのは明らかなようである。しかし批評がからんでいるという事実だけで、第1要因が被告に有利に傾くという自動的認定が正当化されることはない。 参照、Harper & Row, 上記、471 U.S. at 561 (107 条の列挙は網羅的としたり、または特定の使用を推定的に公正として選び出したりする趣旨のものではない)。むしろこの事実は、第1の要因が被告に有利なものであるかどうかを評価するに当たって、他の考慮事項と併せて較量されなければならない。参照、Twin Peaks, 上記、996 F.2d at 1375-76 。(「フェアユースの『目的』による分析は全部か無しかの問題ではない。争点は単に争われている著作物がコメントまたは批評のような107 条に挙げられている非排他的目的の1つに適うかどうかをいうだけのものではなくて、それが無意味な程度に、それとも実質的な程度にそうするのかである。『目的』要因に与えられる比重は、著作物が107 条に列挙される範疇によって例示された目的に奉仕するという初期の、かなり容易な決定よりも、もっと微妙な評価を必要とする」)。
b 。Free Republic ウエブサイトの商業性
当事者は被告のFree Republic ウエブサイトの経営が、107 条のその用語の用い方で商業的目的であるのか、それとも非営利の目的のためかを激しく争う。彼らの議論は、Free Republic の営利、非営利の地位と、そのウエブサイトの被告による経営が収入、寄付および手数料を生み出す程度に焦点を当てる。被告はFree Republic が非営利組織であって、その経営から金儲けをしていないと主張する。
争いのない証拠によれば、Free Republic は現在営利会社である。その証拠によればまた、Free Republic はそのウエブサイトの利用者で、Free Republic の使命と経営を支持しようと思う人から寄付を勧誘している。[注 37] これらの直接的な勧誘の他に、被告は Free Republic および/または Robinson への寄付が要求され、かつFree Republic 関連の記念品が寄付者に提供されている第三者ウエブペ−ジへのリンクの便を図っていることを認めている。[注 38] その上Free Republic ペ−ジは、Electronic Orchardを通じて利用できるウエブサイト・デザイン・サ−ビスを広告し、Electronic Orchardの依頼人へのリンクを含んでいる。[注 39] 被告はこれらのリンクが Electronic Orchard の顧客への好意として含められ、それらから収入を得ていないと主張する。これを本当と受取っても、Electronic Orchardのサ−ビスが広告され、かつ Robinson が彼の依頼人の事業へ無料のリンクを提供できるという事実は、Robinsonと Electronic Orchard とはFree Republic の経営から、他に何も得ないとしても、社会的信用 (goodwill) を得ている証拠となる。従って、当裁判所は被告が色々な方法でウエブサイトの経営から利益を得ているものと結論する。[注 40]
しかしながら、争点に関係ある検討は「使用の唯一の動機が金銭的利益であるかどうかではなく、使用者が通例の代価を支払わずに、著作権のある資料の利用から利益を得ているかどうかである。」Harper & Row, 上記、471 U.S. at 562 [注 41] 本件においては、被告とFree Republic サイトの登録されている第三者利用者は、原告のニュース記事をコピ−し、投稿する。しかもその記事はその後サイトを利用する他の者に、無料で利用されている。サイトの一般目的は、個人が最近の出来事やそのメディアによる報道を議論するフォ−ラムを提供することであるから、原告の記事のコピ−を投稿することは利用者をそのサイトへ引きつける助けとなる。このことが今度は寄付を勧誘し、その経営とRobinsonの他の事業への社会的信用を生み出す被告の能力を高めている。
Marobie-FL, Inc. v. National Assoc. of Fire Equipment Distributors, 983 F.Supp. 1167 (N.D.Ill.1997) 事件の裁判所の判決は、この点に関して教える所が多い。その事件では被告は非営利団体で、著作権のあるクリップ・ア−ト(clip art)を著作権者に支払わないでそのウエブサイトに投稿した。同上 at 1175。被告の非営利の地位にもかかわらず、裁判所はそれでも「その行為は商業的と考えられ得る」と認定した。同上。同裁判所は、通常そのコピ−は金が掛かったであろうに、被告はクリップ・ア−トのコピ−を無料で入手して、そのウエブサイトで会員およびインタ−ネット・ユーザーに無料でそのファイルを利用させた、と論じた。同上。このことは被告に利益を与えるものである。何故ならその団体は「その協会(会員は会費を支払っている)を助成し、広告収入を生み出す商業的目的に」ウエブサイトを用いたからでる。同上。この理由から同裁判所は、被告によるクリップ・ア−トの使用は「ウエブペ−ジの価値を高め、商業目的を … 推進したものである。」と結論した。同上。次も参照、Television Digest Inc. v. United States Telephone Assoc., 841 F.Supp. 5, 9-10 (D.D.C. 1993) (裁判所は、非営利の全国的な同業者協会による著作権のあるニュ−スレタ−の複製と配布は、非商業的使用ではなかった。何故ならその同業者協会は、読者毎に必要な購読数を注文しないで、購読者1人分を写真コピ−することによって金を節約したからである、と結論した。)
Marobie-FL事件の団体と同様に、被告はそのウエブサイトを利用して見ようとする人に、原告の記事のコピ−を無料で見せたことで利益を得ている。そのウエブペ−ジに記事が投稿されているということは、利用者が、原告のウエブサイトを利用すれば徴収されるであろう料金を払わないで、保管資料を見ることができるようにしている。そのことはまた Free Republic のペ−ジの価値を高め、経営の支持を推進する。従って、当裁判所はその使用が107 条にいう商業的であり、Free Republic の営利、非営利の地位には関係ないと結論する。
c 。フェアユースの第1要因に関する結論
性質と目的の検討のあらゆる面を較量して、当裁判所はフェアユースの第1要因は原告有利と結論する。Sony事件において連邦最高裁判所は、「繊細な利益較量」の必要を強調して、「はっきり線引きをしようとする硬直したアプロ−チ」を避けた。Sony, 上記、464 U.S.at 455,n.40 。本件において考察さるべき諸要因は、コピー行為の逐語性、使用の最小限の変形性、コピー行為はコメントや批評を容易にするためであったこと、被告のウエブペ−ジが記事の使用によって価値が高められたこと、およびそのコピー行為は被告の経営への金銭的および非金銭的支援を生み出す助けとなったことである。これらの考察事項のすべてを較量して、当裁判所は本件において第1要因はフェアユースの認定には不利に傾くと認定する。参照、Rogers v. Koons, 960 F.2d 301, 309(2d Cir.1992) (「それは重要な要因であるが、フェアユースの計算のうち利益の要素が、フェアユースの有無の最終決定に影響を与えるかどうかは、考察された要因全体にかかっている。それはそれ自身で決定的なものではない」);Marcus v. Rowley, 695 F.2d 1171, 1176 (9th Cir. 1983)(「著作権のある資料の大量のコピ−行為はフェアユースの法理の適用を排除する」);[42] Netcom On-Line U、上記、923 F.Supp.at 1243(「Erlichは批評目的というけれども、彼の使用の実際の性質はその変形性が僅かにすぎないから、彼にあまり有利には傾かない」); Lerma, 上記、1996 WL 633131 at *5(「Lerma のコピー行為の程度は、彼のインタ−ネットの投稿のほとんどにコメントがないことと相俟って、研究の例外に入れるには無理がある」);Marobie-FL, 上記、983 F.Supp. at 1175 (著作権のあるクリップ・ア−トの使用は、中でも、それが非営利の被告の「協会の助成」に役立ったのであるから、商業的である)。
2 。著作権のある著作物の性質
107 条に定める第2要因は「著作物によっては、他のものより著作権保護の趣旨の核心に近いものもあり、その結果以前の著作物がコピ−された時にはフェアユースの証明は困難さを増す」ことを認める。Campbell, 上記、510 U.S. at 586 。故に、「著作物が創造的であればある程、コピー行為に対する保護がますます厚くならなければならない。相関的に、原告の著作物が情報的または機能的であればある程、フェアユースの抗弁の範囲はますます広くなる。」M.Nimmer & D.Nimmer, NIMMER ON COPYRIGHT, §13.05[A][2][a](Matthew Bender 1999)。新聞記事が事実を集め報道する程度は大きい。それにもかかわらず、新聞記者はどの事実が重要であるかを決定し、それらの事実を面白く、かつ魅力的な方法で載せる。参照、Harper & Row, 上記、471 U.S. at 547 (「ノンフィクションの著作物の作成は、純粋な事実の編集であっても、オリジナリティ−を伴う」)。
フェアユースの第2要因を、ニュース・ストーリーまたはニュ−スの出来事のビデオテ−プのコピー行為と主張されるものの事実関係の中で分析したいくつかの事件は、それが被告に有利と結論した。参照、Reuters Television, 上記、149 F.3d at 994 (裁判所は第2要因がニュ−ス・フッテ−ジをコピ−した被告に有利に働くと判示した);Los Angeles News Service v. KCAL-TV Channel 9, 108 F.3d 1119, 1122(9th Cir.1997)(第2要因は、被告がニュ−スをコピ−した場合には、フェアユースに有利と判示した);Tullo,上記、973 F.2d at 792, 798(第2要因は報道性のある出来事の、著作権のあるビデオテ−プの一部をコピ−したビデオ・ニュ−ス切抜き業者に有利とされた)。次も参照、 Texaco,上記、60 F.3d at 925(被告がコピ−した科学雑誌や医学雑誌からの「記事の … 明らかに事実的性質」の故に、裁判所は第2要因がフェアユース有利に傾くと判示した);Television Digest, 上記、841 F.Supp. at 10 (裁判所は第2要因が、オリジナルなニュ−ス・スト−リ−を内容とするニュ−スレタ−をコピ−した被告に有利に傾くと認定した)。Nihon Keizai Shimbun, 上記、166 F.3d at 72-73 と比較。(新聞発行者が、さまざまな情報源からニュース記事を集め、その「要約」を自分の顧客に売った被告を相手取った訴訟で、裁判所はニュース記事は圧倒的に事実的性質を持ち、表現的要素は支配的ではないと認めたが、それにもかかわらず第2「要因はフェアユースの問題に関してはせいぜい中立的である」と認めた)。
原告のニュース記事は確かに表現的要素を含むけれども、それは圧倒的に事実的である。その結果、被告によるフェアユースの主張は、もし著作物が純粋に創作的であった場合よりも、強い。参照、Sony, 上記、464 U.S. at 455, n.40 (「ニュ−ス放送のコピー行為は映画のコピー行為よりも、フェアユースの主張は強いであろう」)。当裁判所は第2要因が、本件における被告によるニュース記事の使用のフェアユースの認定に、有利に傾くと結論する。
3 。著作権のある著作物全体との関連で用いられた部分の量および実質性
被告は原告の記事のFree Republic サイトへの投稿がすべて逐語的コピ−であることを争っているけれども、原告の新聞に公刊された記事全体をコピ−して投稿したことは認めている。前述のように、被告はフェアユースの抗弁については立証責任を負っていて、従ってもしその主張が裁判所によって考察されなければならないならば、その根拠となる証拠を提出しなければならない。被告はそれをしていないし、当裁判所に現在提出されている、争いのない証拠は、そのままのコピ−が用いられたということの証拠である。実際、被告Robinsonはその証言録取書の中で、これがFree Republic サイトへ記事を投稿している人達の一般的慣行であることを事実上認めた。[注 43]
原告の記事のそのままのコピ−がFree Republic サイトに投稿されたということは、本件においてフェアユースの認定には極めて不利に傾く。参照、Texaco, 上記。60 F.3d at 926(被告による著作物全体のコピー行為はフェアユースの認定を妨げ、裁判所に第3要因は原告有利の認定に至らしめた);Hustler Magazine, Inc. v. Moral Majority, Inc., 796 F.2d 1148, 1155(9th Cir.1986) (「大量のコピー行為はフェアユースそのものを排除はしないけれども」、パロディ−全体を複製したことは「フェアユースの認定を妨げる」大量コピー行為である); Supermarket of Homes, Inc. v. San Fernando Valley Board of Realtors, 786 F.2d 1440, 1409 (9th Cir.1986)(「一般に、付随するコメントの理解に必要な程度以上に著作物から取ってはならない」);Television Digest,上記、841 F.Supp. at 10 (著作権のある著作物全体が用いられた事件で、裁判所は第3要因がフェアユースの認定に不利に傾くと結論した);NIMMER, 上記、§13.05[A][3] (「使用が何であれ、一般に著作物全体が複製されたなら、フェアユースは成立しないかもしれない」)。
被告の主張によれば、原告の「著作物」とは日刊の新聞全体である。何故ならその著作権の登録は特定の記事ではなく新聞全体を範囲とするからである。故に被告は、個々の記事をコピーすることは著作物全体のほんの小部分の複製になるにすぎないと主張する。この命題は判例法によって支持されていない。参照、Texaco, 上記、60 F.3d at 925-26 (著作権登録が雑誌全体を範囲とする場合、その雑誌から1つの記事全体をコピ−することは著作物全体のコピー行為を構成する);Hustler Magazine, 上記、796 F.2d at 1155(「創作的著作物は、それが合成著作物の一部であるからというだけで著作権保護が少なくなるものではない」と認定し、154 ペ−ジの雑誌からの1ペ−ジのパロディ−のコピー行為が著作物全体のコピー行為を構成すると判示した);Netcom On-LineU、上記、923 F.Supp. at 1247 (「Hubbard の講義、方針記述書、学科課程集の多くが集められてもっと大きな巻にされ、全体として登録されているけれども、なおそれらはこの要因に関しては、別々の著作物を構成する」);Lerma,上記、1996 WL 63313 at *9 (「当裁判所は本件で争われている著作物は集められて『コレクション』とされ、部分中の各部分はフェアユースの分析のためには1個の著作物と考えられなければならないと認定する」)
被告はまたニュース記事全体のコピー行為がFree Republic ウエブサイトの目的には必須であると主張する。参照、Campbell, 上記、510 U.S. at 586 (フェアユースの第3要因の評価に用いるべき基準は、コピ−された量がコピー行為の目的との関連で合理的であったかどうかということである」)。Campbell事件の裁判所が示したように、そのような議論を評価するに当たって、「行われた特定のコピー行為をした者の弁解の説得性に焦点が置かれねばならず、その検討は法定の要因の第1に立ち戻らなければならないであろう。 何故なら … 許されるコピー行為の程度は、使用の目的と性質によって異なるからである」。同上 at 586-87。
本件において被告は、利用者はコメントの上に原文全体を示してもらわなければ、記事にコメントし、それを批評することは困難であろうと主張する。原告は反論して、被告はTimesウエブサイトや Post ウエブサイトへのリンクを投稿して、批評されている記事を見ようと思うFree Republic の利用者が、それにアクセスできるようにできたであろうという。[注 44] 原告は、ハイパ−テキスト(hipertext) リンクによって利用者はTimes または Post のウエブサイトの記事に、リンクに「クリック」してアクセスし、それから「クリック」してFree Republic サイトに戻り、コメントを投稿することができると主張する。被告は、そのような解決法は実際的ではない、何故ならリンクは記事が最初発表されてから約2週間後期限切れになるからであると主張する。被告はまた、そのようなアプロ−チは不慣れなインタ−ネット・ユ−ザ−に不利になるであろうと主張する。[注 45]
もちろん、全文コピー行為のもう1つの代案は、利用者にニュース記事の要約を投稿し、それにコメントをつけてもらうことであろう。Robinsn はその証言録取書中で、登録ユ−ザ−はその権利があることを認めた。[注 46] しかし当裁判所は、ハイパ−テキスト・リンクの効率に関する当事者の争いを解決する必要はなく、要約のような他の代案の評価をする必要もない。むしろ当裁判所は、全文のコピー行為の必要に関する被告の主張の説得性を、使用の目的および性質に対比させて較量するだけで足りるのである。参照、Campbell, 上記、510 U.S. at 586-87。
本件において被告は、全文のコピー行為が被告による原告の記事の使用に必須であることの立証責任を果たしていない。被告はそうだと断定的に主張しただけである。参照、Netcom On-Line U、上記、923 F.Supp. at 1247, n.17 ( 「Erlichは彼がコピ−した量の著作物を、逐語的にコピ−することが必須である理由を十分に説明したことはなく、単に『そのコピー行為の目的との関連で合理的であった』と断定的に主張しているにすぎない。」)[注 47] Belmore, 上記、880 F.Supp. at 679(「裁判所は『Tale of Two Islands 』の抄録作成の無数の可能な方法と、そのような方法が『Hooligan's Island 』の目的といわれるものに影響を与える程度に関わることを拒否する。そのような検討は本件の解決のために必要でも適当でもない」)。使用の最小限に変形的な性質および事業の商業的側面(参照、上記、at 12-20)と対比させると、原告の記事の大量コピー行為はフェアユースの認定に不利となる。参照、Ty, Inc. v. West Highland Publ'g. Inc., 1998 WL 698922,*15 (N.D.Ill.1998) (被告の「Beanie Baby Handbook」は、原告の著作権のある画像のカラ−写真を含んでいてフェアユースではないと結論し、裁判所は「Westは」プラシ天製の玩具のそれぞれの名前と品目番号をあげて、「Tyの保護されている表現のコピ−をしないで、論説またはコメントを提供することもできたであろう」と論じた。)
4 。使用が著作権のある著作物の売行き見込みまたは価値に及ぼす影響
第4要因は「使用が著作権のある著作物の売行き見込みまたは価値に及ぼす影響」を検討する。17 U.S.C. §107(4)。「フェアユースは適正に適用されるならば、コピ−されている著作物の売行き見込みに重大な損害を与えない、他人によるコピー行為に限定される。」 NIMMER, 上記、§1.10[D] 。「意図された使用が商業的利益を求めるものであるならば、 [将来損害が発生する]蓋然性は推定できる。」Sony, 上記、464 U.S. at 451 。その検討は侵害者と主張される者の使用が及ぼす影響ばかりでなく、「『被告が行ったような無制限で広範囲な行為が … 原本の売行き見込みに実質的に不利な影響を与える結果になるかどうか』をも含む。」Campbell, 上記(NIMMER, §13.05[A][4],p.13-102.61 を引用);Harper & Row, 上記、471 U.S. at 568 。
上記 Reuters, 1149 F.3d at 994事件で被告は、原告のニュ−ス・フッテ−ジを許可を得ないでコピ−した。原告は著作権のあるニュ−ス・フッテ−ジの売上げを失ったことを証明できず、故にそのコピー行為がフッテ−ジの売行きに実際に不利な影響を及ぼしたことを証明できなかった。同上。それにもかかわらず裁判所は、フェアユースの第4要因は原告有利に傾いたと結論し、「[被告が行ったような]行為は,もし許されていたら、原著作物の売行き見込みに実質的に不利な影響を与える結果になるであろう」と推論した。同上。特に同裁判所は、顧客が原告ではなく被告からフッテ−ジを買うことを許すことは、原告のフッテ−ジの売行きを減殺したと判示した。同上。
本件において、Free Republic ウエブサイトは利用者に Timesや Post からの保管されたニュース記事を、両新聞社のウエブサイトでその記事にアクセスすれば徴収されたであろう料金を支払わないで、読むことができるようにしている。これには原告の保管記事の売行きを減殺する影響がある。原告はその記事がFree Republic サイトで利用できるから、自分たちのウエブサイトの利用者を失い、このため広告収入を失う結果にもなると主張する。原告はまた、ライセンス収入も失うことになる、何故なら他の者もFree Republic に倣ってライセンスを得ないで、著作物のコピー行為をすることになるからだ、と主張する。
被告はこれらの主張を争って、原告のニュース記事をFree Republic ウエブサイトに投稿することは、新聞のウエブのトラフィックまたは収入にマイナスの影響があるとしても、ほとんどない、と論ずる。被告の主張では、実際 Timesと Post は記事がFree Republic サイトに投稿されていることによって利益を得ている。何故なら原告のサイトはFree Republic のサイトのある結果、「1か月に何十万でなくても、文字通り何万ものヒット(hit) 」[注 48]を受けているからである、という。この主張は被告側専門家証人による参照ヒット(referral hits) 数の定量化を誇張していて、1か月約2万という。同専門家はこれは新聞にとって月千ドルの収入を生み出すと見積っている。[注 49] これが真実と仮定しても、「計測し得る金銭的損害がないということだけで、フェアユースの認定の必要がなくなる。」Marcus, 上記、695 F.2d at 1177。もしコピー行為が「『原著作物の需要を』満たし、その売行き見込みを『減少させ、または損害を与える』」ならば、これはフェアユースの第4要因の著作権者に有利となる認定を正当とするに十分である。参照、Hustler Magazine, 上記、796 F.2d at 1155-56 。本件において、原告のウエブサイト の利用によって生ずる広告収入への影響には関係なく、新聞のニュース記事の全文がFree Republic サイトで利用できることが、原著作物の需要を少なくともある程度まで満たし、原告のそれを売りまたはライセンスする能力を減殺している。このことはこのタイプの広く行われているコピー行為が、原告の自分の記事を販売し、ライセンスする能力に及ぼす影響を考えれば特に正しい。故に、記事の売行き見込みに対する不利な影響は証明され、[注 50] 第4要因はフェアユースの認定に不利に傾く。参照、Wainwright Securities, 上記、558 F.2d at 96(被告の要約は原告の財務報告書への需要を満たした)。次も参照、Twin Peaks, 上記、996 F.2d 1377 (「著作権者は種族として著作権のある著作物を続けて販売したがるものであることは、一般的に言って誤っていない」)。
5 。フェアユース要因の較量
上に論じた理由で、当裁判所は4要因のうち3つがフェアユースの認定に不利となると結論する。しかし被告に有利な1要因 -- すなわち、著作権のある著作物の性質 -- は被告のフェアユースの抗弁を強くは支持しない。何故なら被告は原告のニュース記事の事実的および表現的要素の両方をコピ−したからである。さらに第3要因 -- すなわち、用いられた部分の量と実質性 -- はフェアユースの認定を妨げる。何故なら被告は逐語的にニュース記事全体をコピ−したからである。従って当裁判所は、原告の著作権侵害の主張に対する被告のフェアユースの抗弁は成立しないと結論する。
D 。修正第1条の抗弁
被告は修正第1条が、原告のニュース記事のコピ−をFree Republic ウエブサイトに投稿する被告の能力を保護すると主張する。被告の主張は、記事全体の投稿ができないならば、サイトの利用者は最新の出来事や政治のメディアの報道範囲に関する意見、ならびにそれらの記事に明らかな脱落や偏見に関する見解を表現することを妨げられるであろうという。裁判所によっては修正第1条問題を、フェアユースの分析の一部に扱った所もある。例えば、Hustler Magazine, 上記、796 F.2d at 1151-52(「諸裁判所は、情報の自由な流れに対する公けの利益は著作物の排他的支配に対する著作権者の利益に優越するかどうかを決定するために、[フェアユースの諸要因]を較量する」)。しかし被告はその争点を別の抗弁として提起する。
上記 Harper & Row 事件において、Nation誌は無断で Gerald Ford大統領の回想録から300 語を転載した。471 U.S.at 542-45 。裁判所は、ニュース記事に収められている最新の出来事に関する事実的情報は、著作権で保護されていないと述べた。しかし同裁判所は「著作権は事実の物語を執筆し発表する人に、その投資の正当な補償をして、そこに入れられたオリジナルな表現を売る権利を、少なくもと享受することを保証する」と述べた。同上、at 556-571(Zacchini v. Scripps-Howard Broadcasting Co., 433 U.S. 562, 575(1977)を引用)。同裁判所は、著作権は自由な表現を育成するものである、何故なら「自分の表現の使用に関し、かつ売ることができる権利を確立することによって、著作権はアイディアを創造し広める経済的誘因を提供するからである」ことを強調した。同上 at 558。著作権はまた、著作権のある著作物の所有者をその著作物の発表を強制されないように保護することによって、言論を差し控える相反する修正第1条の権利をも助長する。同上 at 559 。これらの理由すべてにより、同裁判所は資料が「ニュ−ス性がある」(同上)からコピ−してもよいという被告の修正第1条による議論を退けて、「その検討を如何なる自由言論の問題によっても拡張されない『フェアユースの伝統的権利』に限定した。」NIMMER, 同上、§1.10[B][2](Harper & Row, 上記、471 U.S.at 560を引用)。
Nimmerは、もし「表現のコピー行為が表現されたアイディアを効果的に伝えるために必須であるならば、」著作権のある資料は修正第1条によってコピ−が許されると論じている。彼は連邦最高裁判所が Harper & Row 事件において、Ford大統領の回想録からの縮めた引用文の中に、「問題はあるけれども、事実を十分に伝えるのに必要であった」ことを認めることによって、この枠組を黙示的に採用したという事実をあげる。「例えば、Mr.Ford がホワイト・ハウス・テ−プを『発射したばかりの銃』と呼んだことは、おそらく表現されたアイディアと切り離せないほど不可欠な部分である。」 Harper& Row, 上記、471 U.S. at 563; NIMMER,上記、§1.10[D] 。
このような基準が適用されると前提しても、被告はニュース記事全体のコピー行為が、利用者の意見と批評を被告のサイトに運ぶために必須であったということを証明していない。フェアユースの第3要因と関連して上に論じたように、利用者の批評は記事の要約に付けることもできるし、またはFreeRepublic が記事の載っている Timesと Post のウエブサイトへのリンクを提供できるであろう。被告や freerepublic.com のユ−ザ−は、この選択がニュース記事の全体を逐語的にコピ−できるほど理想的ではないと認めるであろうが、彼らの言論は、著作権のあるニュース記事に対する原告の排他的権利を侵害できることを許さないからといって、決して制限されてはいない。
U。結論
上記の理由により、フェアユースに関するサマリ・ジャジメントを求める原告の申立を認め、サマリ・ジャジメントを求める被告の申立を却下する。
日付: 1999年11月8日
MARGARET M. MORROW
連邦地方裁判所裁判官
脚注
[注 1] 全当事者は、交差申立を支持しまたはそれに反対して、提出された陳述書に対する証拠に関する異議を提出した。当裁判所は、陳述書中に含まれている証拠を考察した範囲内で、その証拠に対する異議に関して決定 (rule) し、本決定 (order)の中でそれらの決定 (rulings)を示した。陳述書中に含まれている証拠が本決定で触れられていない限り、それを当裁判所は考察しなかったから、提出された異議に対して決定する必要はない。
[注 2] Carol Perruso の陳述書(「Perruso 陳述書)、para.2; Eric Koefootの陳述書(「Koefoot 陳述書」)、paras.2-3 。
[注 3] Perruso 陳述書、para.4; Koefoot 陳述書、para.4。
[注 4] 原告の争いのない事実と法の結論についての陳述書(「Pls.'Facts」)、para.50; 争いのない事実についての原告の別の陳述書に対する被告の回答書(「Defs.'Genuine Issues」)、para.50 。一回見るための実際の料金は、Perruso ( Los Angeles Times )陳述書とKoefoot (Washinton Post)陳述書によって証明されている。被告はこれらのドルの数字が述べられている陳述書中の特定の箇所について異議を唱えているけれども、彼らの異議は、保管された記事の全文をFree Republic のサイトではなく、原告のサイトで見ることは非実際的ではないという、陳述者側の主張に関するもののようである。(参照、Perruso 陳述書、para.8; Koefoot 陳述書、para.8、Carol Perruso 、Eric Koefoot 、Chappell Aldridge の各陳述書に対する被告の証拠に関する異議(「Defs.' Objections」)at 2: 7-10, 4:121-24。)Times ウエブサイトや Post ウエブサイトで記事を見る料金に関する陳述は、関連性があり、根拠を欠くものでなく、両義的でも推測的でも結論的でもない。従って、被告が陳述書のこの部面に反対する限りにおいて、被告の異議は却下する。
[注 5] Perruso 陳述書、paras.10-12; Koefoot陳述書、paras.10-12 。被告は PerrusoとKoefoot の両陳述書の 10 節と12節に対し、それらが根拠を欠き、両義的、結論的、推測的であることを理由に異議を唱える。(参照、Defs.'Objections at 2:12-15, 17-22, 4:26-28, 5:3-8。)Perruso とKoefoot はそれぞれの会社の管理職役員で、会社の業務とインタ−ネット事業一般を親しく知っている。各人とも会社のウエブサイトによって生ずる収入源およびその収入の増減の原因となる諸要因も知っている。その証言は、一般的で、Free Republic サイトの影響に対して特に触れてはいないが、推測的でも両義的でも結論的でもない。従って、Perruso とKoefoot の両陳述書のこれらの部分に対する被告の異議は却下する。
[注 6] Pls.'Facts, paras.33, 48; Defs.'Genuine Issues, paras.33, 48。
[注 7] 参照、Pls.'Facts, paras. 49,51,52, Defs.'Geuine Issues, paras.49,51,52。
[注 8] 被告の証拠物件 Vol.4, 証 1009 [ James Curtis Robinson の証言録取書
(「Robinson録取書」)] at 25:6-26; 10, 19:16-19 。Robinsonの息子 John および
Amy Defendisは両会社の共同所有者である。(同上 at 25:24-26; 10。)
[注 9] 同上 at 20-2-12; Pls.'Facts, para.24; Defs.'Genuine Issues, para.24 。
[注 10] Robinson証言録取書 at 26:16-20
[注 11] Pls.Facts, paras.1, 24, 25; Defs.'Genuine Issues, paras.1, 24 25;
James Robinson の陳述書(「Robinson陳述書」)、para.35; 被告のサマリ・ジャジメント申立の根拠となるポイントと判例の覚書(「Defs.'Mot.」)、at 7:17-24; Heather I.Wayland の陳述書(「Wayland 陳述書)、証B(D000441, D000445)。
[注 12] 例えば、参照、Wayland 陳述書、証D。
[注 13] Pls.'Facts, paras.18, 38; Defs.'Genuine Issues, paras. 18, 38 。
[注 14] 例えば、参照、Pls.'Facts, paras. 45,47; Defs.'Genuine Issues, paras.
45, 47, 49, 51, 52 。
[注 15] Defs.'Genuine Issues, paras. 45,47,49,51,52 (「…極めて僅かの記事を除いて、その記事が、原告が主張するように、『完全なコピ−』であることを立証する証拠は記録中にない」)。
[注 16] 参照、Pls.'Facts, para. 23,; Defs.'Genuine Issues, para. 23; 被告の争いのない事実についての別の陳述書(「Defs.'Facts 」)、para, 6; 被告の争いのない事実についての別の陳述書に対する原告の回答書(「Pls.' Genuine Issues」)、para.6。
[注 17] Free Republic Institute はfreerepublic.com. ウエブサイトの経営の責任を負っているらしい。
[注 18] 参照、Harold Szaboの陳述書(「Szabo 陳述書」)paras.3-6 。原告はSzabo の陳述に異議を唱え、その根拠として、同陳述は関連性を欠き、漠然として、両義的であり、根拠がなく、結論的であり、推測的であること、および税金免除の地位が与えられるとほのめかしている限度において、不当な意見証拠を提出するものだという。(参照、Richard L.Stout の陳述書およびHoward K.Szabo の陳述書に対する証拠に関する異議(「Pls.'Objections 」)at 11:21-15:19。)これらの異議は、Szabo が自分の弁護士委嘱、自分が行うことを求められている仕事、および現在までに彼が完了した仕事について彼自身が知っているので、却下する。Szabo は税金免除の地位の申請の最終結果については、意見を述べていない。Free Republic Institute の設立および税金免除申請における彼の仕事の現状について彼の述べる陳述は、漠然、両義的、推測的、結論的のいずれでもない。原告はSzabo 陳述書に述べられている情報の関連性を争うけれども、この異議はこの申立によって決定されるべき法的議論の本質的部分であって、陳述書を排斥する根拠とはならない。
[注 19] Robinson証言録取書 at 24:1-8, 27:18-28:23, 38:4-40:12 。
[注 20] Pls.'Facts, paras.27, 28, 29, 30, 31, 32, 34, 35。
[注 21] Pls.'Facts, paras. 27, 29 。原告はさらに、Free Republic ウエブサイトは一般に商事団体が使用するタイプの「.com」ドメイン名を用いていると述べる。(Pls.' Facts, para.26。)被告はこの事実の関連性を争って、「.comドメイン名の使用は、その事業が営利か非営利かを示すものではない」という。(Defs.'Genuine Issues, para. 26; Richard Stout の陳述書追補(「Stout 陳述書追補」)、paras.35-38 。)
[注 22] Defs.'Genuine Issues, paras. 32, 34 。
[注 23] 参照 Defs.'Genuine Issues, paras. 27, 28 。
[注 24] Defs.'Genuine Issues, para. 35。
[注 25] Defs.'Genuine Issues, para. 31。
[注 26] 参照 Defs.'Genuine Issues, pras. 29, 30。
[注 27] Defs.'Genuine Issues, paras. 49, 51, 52 。根拠として被告は Rick Stout 陳述書の一部に依拠する。原告はこの陳述書の一部に異議を提出するが、そのうちの一部だけがここに関係がある。(参照、Pls.'Objections at 3:8-11:19) 。特定的に原告はStout 陳述書の 46 節、50節、51節に異議を唱え、それらが関連性がなく、結論的、推測的、漠然かつ両義的、根拠がないことを理由とする。46節に対する異議は却下する。Stout はFree Republic サイトから Timesサイトへのトラフィックに関して意見を述べる資格を証明し、陳述書中その先行の節で詳細に彼の方法論を説明しているからである。50節と51節に関しては、そこの述べられている意見は確かに一般的である。しかしながら、Stoutの資格およびインタ−ネットトラフィックを分析する彼の特定の専門知識から、彼は freerepublic.com の原告のウエブサイトに及ぼす相対的影響に関して意見を述べることができる。これらの節に見られる結論の一般的な性質とは、その証拠能力よりはむしろその(証拠の)重さに関するものである。
[注 28] Pls.'Facts, paras.49, 51, 52。原告はPerruso, Koefoot, Aldridgeの各陳述書を引用してこれらの主張を根拠づける。被告はこれらの陳述書の関係部分への異議の根拠として、それらは根拠を欠き、推測的、結論的、両義的であり、かつ証拠にない事実を前提するという。関連性のある陳述は、Perruso陳述書とKoefoot 陳述書の21節、Aldridge陳述書の 3-6節にある。Chappell Aldridge はその陳述書の中で、Postウエブサイト上で記事を求めて彼が行った検索およびFree Republic サイト上にその記事の全文を回収したことについて詳しく述べている。その証言は自らの知識に基づき、推測的でも、結論的でも、両義的でもない。従って当裁判所は、Aldridge陳述書に対する被告の異議を却下する。ただ例外として、この記事にアクセスする方法は「誰でも利用できる …いんちき手段」という議論的陳述を考察しなかった。Perruso 陳述書とKoefoot 陳述書に関しては、各人はそれぞれの会社の経営役員であり、会社の経営及びインタ−ネット事業一般を親しく知っている。この知識が、freerepublic.comの Timesサイトと Post サイトでのトラフィックへの影響に関して陳述書に述べられた意見の表明の十分な根拠となる。述べられた意見の一般的な性質とは、その証拠能力よりはむしろその(証拠の)重さに関するものである。従って、Perruso, Koefoot, Aldridge 各陳述書のこれらの部分に対する被告の異議を却下する。
[注 29] 被告 Robinson とFree Republic はFree Republic サイトに原告の記事の若干を自ら投稿したことを認める。(参照、Defs.'Genuine Issues, para.9。)しかしそのサイトへは数千の記事が投稿されたのだから、被告は投稿の多くが登録第三者ユ−ザ−によって行われたと主張する。(参照、Pls.'Facts, paras. 10, 41; Defs.'Genuine Issues, paras.10, 41)。原告は被告が第三者のコピー行為を許す指示と手段を提供していること、被告はそのウエブサイトに投稿されているものをコントロ−ルできること、および被告は時々投稿の一部を除去したことを主張する。(Pls.'Facts, paras. 11, 12, 13)。被告は自分たちがサイトから資料を除去する技術的能力を有していることは認めるが、サイトが受取る毎日の大量の投稿を監視することは彼らにはできないと主張する。(efs.'Genuine Issues, paras. 12, 13)。被告は、原告の記事の第三者コピー行為を可能にする手段と指示を与えているという主張に対しては、直接答えないで、ただ「FreeRepublicウエブサイトは登録ユ−ザ−に、彼らの欲するどんな内容でも投稿することを可能にし、許しているバ−チャル「掲示板」フォ−ラムを提供している」ことを認めているにすぎない。(Defs.'Genuine Issues, para. 11)。被告のFree Republic ウエブサイトの経営と、第三者による原告の著作権のあるニュース記事の逐語的コピ−の投稿が、被告に著作権侵害の責任を負わせるものであるかどうかは、本決定の中で判断するべき争点ではない。同様に当裁判所は、原告が自分のウエブサイトに記事を投稿していることは、他の人々がその著作物をコピ−することの黙示的同意となるという被告の主張も取上げない。(参照、Defs.'Genuine Issues, paras. 6, 7, 9, 10, 11) 。
[注 30] 参照、Defs.'Genuine Issues, paras. 45, 46, 47 (「極めて僅かな記事の例外はあるが、原告が主張するようにその記事が「完全な[全部の]コピ−」であることを立証する証拠は記録中にはない」)。
[注 31] たとえ抜粋だけがコピ−されたとしても、それでもこのことは、原告の著作権の主張の「コピー行為」の要素を満たすようである。参照 Nihon Keizai Shimbun, Inc. v. Comline Business Data, Inc., 166 F.3d 65, 70-71 (2d Cir.1999)(被告の要約と原告のニュ−ス・スト−リ−との間には実質的類似性がある、何故なら「要約は Nikkei 記事の、逐語的ではないとしても、直訳であるようだから」と判示する。[要約は]「対応する Nikkei 記事中の保護され得る資料の約3分の2を用いる」ため、「文章毎に順に記事中の情報を追跡し」時には「Nikkeiの2文を結び合わせたり、1文を分割したり、または異なる文章間で事実を再配列するため」かつ「Nikkeiの報道した事実の構造と構成を全く同じように、大体において採用するために、明確にするため編集されたにすぎない」。)次も参照、Wainwright Sec.Inc. v. Wall St.Transcript Corp., 558 F.2d 91, 93-94 and n.1(2d Cir. 1977)(裁判所は被告が原告の分析的財務報告書を要約して、その著作権を侵害した、何故なら被告は「その報告書の最も創造的かつオリジナルな面、すなわち、時間、金銭、および労力を実質的に投下したものである財務分析と予測を、ほとんど逐語的に盗用したからであると判示した」)cert.denied, 434 U.S.1041(1978) 。
[注 32] 当裁判所はフェアユースの第3要因の分析に当たってこのように述べたけれども、それは特定の著作物が変形的である程度を評価する際にも、同じ位関連性がある。
[注 33] Religious Technology Center v. F.A.C.T.NET, Inc., 901 F.Supp.1519 (D. Colo.1995)判決は反対の趣旨ではない。同事件において、同裁判所が審理したのはサマリ・ジャジメントの申立であったから、裁判所は最終的法的決定をせず、ただ原告が本案勝訴するであろうという蓋然性を評価したにすぎない。同事件の被告F.A.C.T.NETは非営利の法人で、Church of Scientology に関する資料の図書館を維持していた。その資料の一部はArnaldo Lerma (本文中に引用された事件の被告)によってインタ−ネット掲示板に投稿された。同上 at 1521-22。被告が自分の私的な図書館に入れるために著作物をコピ−したことに強く焦点を当てて、同裁判所は F.A.C.T.NETはフェアユースの抗弁について勝つ見込みがあると認定した。参照、同上 at 1524。インタ−ネット投稿のため Lermaに資料を供給することに関与した可能性に関しては(F.A.C.T.NET はその関与を否認する)、裁判所は、その投稿が「特定のニュ−スグル−プ中での、進行中の対話の事実関係の中で行われたものであり」、かつその投稿は「著作物が実質的なものであるか、または組織的なマインド・コントロ−ルの一部として恒久化されているかどうかについての時事的討論の一部を成す」という証拠に注目した。同上 at 1526。原告は「 Church の信者が Lermaの投稿をその著作物の市場代替物と考えるであろう蓋然性を示す証拠」、またはその投稿が「商業的性質ものであるか、または著作物の売行き見込みに影響を及ぼすことを」証明する証拠を提示していないから、裁判所はそれらは「フェアユースの法理に該当する批評、コメント、または研究の目的で作られたものと考えるのが適当である」と判示した。同上。提出した証拠の性質が限られているから、F.A.C.T.NET 事件の裁判所の、Churchは「著作権の主張で本案勝訴の実質的蓋然性を証明していない」という「予備的」認定は(同上)、Lerma 事件の裁判所による、Lerma の投稿活動の直接かつ詳細な分析よりも、実質的に説得性が劣り、それに矛盾するとはいえない。
[注 34] 当裁判所は、本文に引用された事件は本件における被告のフェアユースの抗弁の分析にとって、他の判決、例えば Religious Technology Center v. Netcom On-Line Communication Services, Inc., 907 F.Supp.(N.D.Cal.1995)(「Netcom On-Line I」)事件よりももっと適切であると信ずる。Netcom On-Line I事件において裁判所は、インタ−ネット・アクセス・プロバイダ−であるNetcom-On-Lineのフェアユースの抗弁を考察し、そうする際に特定的に Netcom による同抗弁の援用を、著作権のある著作物のコピ−をUsenetニュ−スグル−プに実際に投稿した個人の援用と区別した。この個人は直接インタ−ネットにリンクされていないで、Netcom-On-Lineの設備を通じて連結された掲示板サ−ビスを通じてそのウエブにアクセスした。参照、同上 at 1365-66 。裁判所は次のように述べた。「本件において適正な焦点は、Netcomの行為がフェアユースといえるかであって、 Erlich自身がフェアユースを行ったのではない点である。裁判所はすでに Erlich は彼自身 フェアユースの抗弁の権利を認められる見込みはないと認定している。何故なら彼の投稿は、原告の発表された、または未発表の著作物の大量の部分で、ほとんどコメントを付けないで逐語的に引用されたものを含んでいるからである。」同上 at 1378。インタ−ネット・アクセス・プロバイダ−としての Netcom の仕事の商業的性質にもかかわらず、裁判所はフェアユースの第1要因はNetcom有利に傾くと認定した。なかんずく(1) 「その金銭的誘因は侵害行為と関係なく、侵害行為から直接の利益を受けていなかったこと」、(2)「Netcomのような被告がインタ−ネットへ、あらゆるタイプの著作権のある著作物をのせるライセンスを得る方法は容易ではなく」、従って「『慣行となっている代価を支払わないで、著作権のある著作物の不正使用から利益を得ている』と見るべきではないこと」、(3) Netcomは「その加入者がインタ−ネット上で利用できる情報の内容から直接何も得ていなかったこと」、および(4) Netcomは「ファイルを提供したり、著作物を侵害することを求めなかったこと」がその理由の一部である。同上 at 1379。本件において、被告は Free Republic サイトに原告のニュース記事のコピ−を自ら投稿したことを認めている。さらに、彼らのサイトへの関係および投稿された資料に対する関係は、Netcomの関係よりももっと重大に直接的である。Netcomはソフトウェア・システムを維持し、加入者から受取ったメッセ−ジを Usenet に自動的に送り、その過程でそのメッセ−ジのコピ−を自分のシステム上に一時的に記憶させるソフトウエア・システムを維持する会社である。
[注 35] 参照、Defs.'Mot. at 11:14-12:3。
[注 36] 参照、フェアユースに関してサマリ・ジャジメントを求める被告の交差申立に対する原告の異議(「Pls.'Opp. 」)at 5:28, 6:22-28; Aldridge陳述書 para.5; 被告の証拠物件 Vol. 1, 証 1002, 1003 。
[注 37] 参照、Wayland 陳述書の証M(TM092)( 「Free Republic は寄付によって支えられている。我々は非商業的で非営利の公けのフォ−ラムで議論するグル−プである。 もしあなたがFree Republic を後援し、および/または広告またはバナ−・リンキング (banner linking) 、あなたのウエブサイト、をのせたいのなら、Jim に連絡して下さい。もしあなたがFree Republic を支援しようというのなら、寄付を[para] Jim Robinson, c/o Electrinic Orchard[,] P.O.Box 9771[,] Fresno, CA 93794-9771 に送ることもできます。[para.] それともここをクリックして、安全なクレジット・カ−ドトラフィックで寄付してください」)。次も参照、同上の証P(TM001, TM084)。
[注 38] 参照、Defs.'Genuine Issues, paras.29, 30。
[注 39] Wayland 陳述書の証M(TM092)(「Jim はまたカリフォルニア州フレズノにあるインタ−ネット・ウエブのデザインおよび開発会社である Electronic Orchard も経営している。どうぞ www.e-orchard.comと我々の依頼人のウエブサイトを利用して下さい。我々はまた、あなたのウエブサイトを作ったり、そして/または世話をすることもできます。成果の上がる効率的なインタ−ネット・ソフトウェアなら、Jim Robinsonに連絡して下さい」)。次も参照、同上の証P(TM001,TM084)。
[注 40] 仮に本件がそうでないとしても、フェアユースの第1要因が被告側に有利であるという認定は出せないであろう。Marcus v. Rowley, 695 F.2d 1171(9th Cir.1983) 事件において、被告はケ−キ・デコレ−ションを教えるために用いた冊子に、原告の著作権のある資料の実質的部分を使用した。同上 at 1173。同裁判所は教師によるその資料の使用は、非営利的な教育目的のものであると述べた。同上 at 1175。しかし同裁判所は「非営利の教育目的の認定は自動的にフェアユースの認定を強いるものではない」と論じた。同上。むしろ、原告、被告の両者ともにケ−キ・デコレ−ションを教えるのにその出版物を用いたのだから、かつ被告はその資料をコピ−する原告の許可を求めなかったから、第1要因はフェアユースの認定に不利に傾くと判示した。同上 at 1175-76 。
[注 41] これが真実でないとしても、「その推定はニュ−ス報道を含めて、107 条の前文的な節に列挙された例示的用法のほとんどすべてを飲み込んでしまうであろう … 」参照、Campbell, 上記、510 U.S.at 584。次も参照、Maxtone-Graham v. Burichaell, 803 F.2d 1253, 1262(2d Cir.1986)( 法は「『商業的』と『非営利』の2つの両極的呼び方の間の明確な選択を要求していない。もしそうだとしたら、フェアユースは事実上抹消されることになろう。何故なら『すべての出版物は推定的に、営利の目的で行われるからである … 』」)。
[注 42] もっと最近の第9巡回区控訴裁判所の諸事件では、Sony Corp. v. Universal Studios, Inc., 464 U.S. 417(1984) 事件の連邦最高裁判所の判決が「[同巡回区控訴裁判所の]大量コピー行為はフェアユースを絶対に排除するものとする以前の宣言に疑問を投げ掛ける」と述べたが、(参照、例えば、Hustler Magazine, Inc. v. Moral Majority,Inc., 796 F.2d 1148, 1155(9th Cir.1986))、当裁判所は被告がその記事のそのままのコピ−を用いたことが、フェアユースの抗弁の援用を絶対的に排除するとは認定しない。むしろコピー行為の大量性は使用の性質と目的を評価するに当たっての1つの要因であると結論する。
[注43] Robinson証言録取書 at 55:14-18(質問:Free Republic は利用者が全文投稿をするよりも、要約すべきであるとの方針をとっていますか? 答:利用者はそうしたいのなら要約できます。質問:しかし彼らはほとんどそうしないのではないですか?答:大抵の利用者は要約しません。)
[注 44] 参照 一部のサマリ・ジャジメントを求める原告の申立(「Pls.'Mot. 」)at 7:21-25。原告はFree Republic が他の出版物、Jewish World Review 、の記事へのリンクを、利用者に全文投稿する代りとして提供したという。Robinson証言録取書 at 94:7-25, 95:12-18,96:4-18; Wayland陳述書の証Q;Pls.'Facts, para.43; Defs.'Genuine Issues, para. 43。)
[注 45] 参照、Defs.'Genuine Issues, para.94 。
[注 46] 参照、Robinson証言録取書 at 55:14-18。
[注 47] 被告は全文のコピー行為は、彼らが原告の記事を利用するために必須であるという主張の根拠として、Belmore v. City Pages, Inc. 850 F.Supp.673, 679(D.Minn. 1995) を引用する。しかしBelmore 事件において裁判所は、第3要因が原告有利であると決定した。参照 同上 at 680(「第2要因と第3要因はBelmore に有利である」)。
[注 48] Defs.'Mot. at 14:16 。
[注 49] 参照、Stout 陳述書 para.46。Stout の数字はLos Angeles Times サイトのみに関するものである。
[注 50]D.C.Comics Inc.v. Reel Fantasy, Inc., 698 F.2d 24 (2d Cir.1982) 事件において、被告はフェアユースの第4要因は被告に有利である、何故なら被告による原告の著作権のある続き漫画の人物の使用は、実際に原告の商品の売行きを増大させたからだと被告は論じ、地方裁判所はそう認定した。しかし控訴裁判所はその意見をとらず、「著作権のある資料を所有する利益の1つは、料金を取ってその使用をライセンスする権利であるから、RFI の侵害の結果 DC の漫画本の売行きの増加が推測されるとしても、法律問題としてフェアユースの抗弁の援用を許さないであろう。著作権者は販売増加の見込みとライセンスからの収入を比較較量するのに最もよい立場にある。」と述べた。同上 at 28。次 も参照、 Harper & Row, 上記、471 U.S.t 569 (「著作権侵害者は誰でも、著作権のある著作物に一般人のアクセスを増やすことによって、公衆に利益を与えていると主張するかもしれない。 … しかし連邦議会は公けの人物の未発表の著作権のある表現に、自由なアクセスを許す『強制的ライセンス』を裁判所が課すことを意図していないし、当裁判所も正当とは認めない」); Ringgold v. Black Entertainment Television, Inc., 126 F.3d 70, 81, n.16 (2d Cir.1997) (「たとえテレビ番組に原告の著作物を無断使用することが、ポスタ−の売行きを増大させるかもしれないとしても、それは彼女のライセンス料金の権利を排除することにはならないであろう」); Storm Impact, Inc. v.Softwareof the Month Club, 13 F.Supp.2d 782, 790(N.D.Ill.1998)( 「著作者の著作物の配布が増えたことは著作者に対する利益であるというこの議論は、連邦最高裁判所によって退けられた」、Harper & Row, 上記、471 U.S.at 569を引用)。