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ソフトウェア契約関連判例に関する調査研究報告書― 平成19年度版 ― (SOFTIC 19-1)
概要
本委員会ではコンピューター・ソフトウェア取引を巡る契約問題の調査研究を行っている。
今回は、完成しなかったシステムにつき原告の主張する被告の債務不履行を認めなかった事例(事例2)、開発機器の類似品を発注主が開発したことにより保守契約の更新が出来なかったとする不法行為及び保守ソフトへの著作権侵害を主張した事例(事例3)、データベース開発請負契約においてその解除事由がサーバー売買契約の解除事由にも当たるとされた事例(事例5)など5つの事例を取り上げた。報告書には発表者によるレポート及び各判決文を収録(事例4を除く)。
- 事例1−東京地裁 平成17年6月22日 判決(平成14年(ワ)第28723号、平成15年(ワ)第7005号)
ICタグを利用したシステムの導入に係る契約について被告は原告に対しICタグの供給義務があること、システムの円滑な稼動のための協力義務があること、また被告は原告の取引先を不公正な方法で奪っており不法行為を構成する、などとして、損害賠償の支払いと本件契約の解除を請求した事例
- 事例2−東京地裁 平成17年7月27日(平成16年(ワ)第9142号)
通信及び情報システムの(1)コンサルテーションサービス契約及び(2)業務委託契約において被告の債務不履行があったとして契約解除に基づく損害賠償等支払いを求めた事案
- 事例3−東京地裁 平成18年2月10日判決(平成16年(ワ)第14468号)
インターネットに接続するインターホンを開発した原告が同機器開発の依頼主である被告に類似品を開発され保守契約を更新できなかった不法行為等とライブラリや運用保守ソフトの著作権侵害を主張して5億円の侵害賠償を求めた事例
- 事例4−東京地裁 平成18年6月30日判決(平成18年(ワ)第19254号)(判決文収録していません)
データベース開発請負契約の債務不履行解除に基づく原状回復請求等において、請負契約の解除事由が、請負契約と一体であるサーバー売買契約の解除事由に当たるとされた事例
- 事例5−東京地裁平成18年12月13日判決(平成17年(ワ)第12938号)
レース編み機用ソフトウェアの著作権を有する原告がソフト開発会社社員として原告ソフトを開発した後個人で第三者用に同様のソフトウェアを開発して譲渡した被告に対し不競法等に基づく損害賠償を請求した事案