電子書籍元年といわれた平成22年。以来、さまざまなサービスや事業者、端末、フォーマットが登場していますが、電子書籍ビジネスは広がりを見せつつも未だ定着を見たとは言い難く、紙の書籍を電子化する「自炊」行為の代行が問題となるなど、出版物の電子化とその流通、発展を巡っては高い期待がある一方、懸念と課題もまた顕在化しています。

　そのような中、昨年11月には国会議員を座長とする「印刷文化・電子文化の基盤整備に関する勉強会」（いわゆる中川勉強会）による「出版物に係る権利（仮称）」法制化に向けた検討、本年2月には日本経済団体連合会よる「電子出版権」新設の提言、さらに4月4日には、中山信弘明治大学特任教授をはじめとする6名の専門家による「出版者の権利のあり方に関する提言」（5月16日に補足説明を追加）が公表され、中川勉強会も方針としてこれを採用するなど、さまざまな議論が展開されてきました。そして、文化庁は平成25年第38回文化審議会著作権分科会において、「出版関連小委員会」を設置。5月に開かれた第1回会合では、「出版者への権利付与等」として、（A）〜（D）の4つの方策が示され、具体的な検討が開始されるに至っています。

　本セミナーでは、提示された4方策のひとつである「（B）電子書籍に対応した出版権の整備」を中心に２つの提言内容をご紹介いただくとともに、電子出版の今後に向けた課題や展望をご議論いただきます。

　皆様の奮ってのご参加をお待ち申し上げます。

アイビーホール ２階「ミルトス」（東京都渋谷区渋谷４−４−２５）　

１３：３５ -
　　　　１４：１５

１４：１５ -
　　　　１４：５５

講演：出版者の権利のあり方

　「電子出版権」新設の提言について
　　　　　萩原　恒昭氏（凸版印刷株式会社　法務本部役員待遇本部長）