近時、Linux等をはじめとするオープンソースソフトウェア（以下「OSS」）の利用は、システム開発のみならず、クラウドコンピューティングやビッグデータ分野等においても必要不可欠になりつつあると言われています。特に、OSSの使い方が以前のような単にコスト削減のために商用ソフトをOSSに置き換えるというケースから、より先進的なOSSを利用することによって一段上の新たなビジネス展開への飛躍が期待されているところです。

　他方、上記のように経営戦略上も大きな期待が寄せられているOSSですが、具体的にその利用を検討する場合、例えばGPL対象プログラムについて対応ソースコードの公開義務等の要件が、対象プログラムの改変や他プログラムとの結合等どのような場合に適用されるかのいわゆる伝搬性の問題、対象プログラムにおける自社特許の権利行使の可否や脆弱性に関する責任問題等、整理しておくべき問題があることにも留意する必要があります。

　本セミナーでは、OSSの法的諸問題について第一線でご活躍の上山浩弁護士をお迎えし、OSS利用にあたっての法的リスクと係争事例を中心に解説していただきます。

　皆様の奮ってのご参加をお待ちしております。

日本消防会館 ５階「大会議室」（東京都港区虎ノ門２−９−１６）
電話03-3503-1486
http://www.nissho-jyouhou.jp/nissho-hall/accesmap.html

弁護士 上山浩氏（日比谷パーク法律事務所）

１．OSSの利用に関する法的リスク
　OSSの利用に関わるリスクについては、未だに漠とした不安を抱いている状況の企業が少なくありません。ここでは、リスクの内容を整理して解説します。

２．係争事例
　何がライセンス違反発覚の端緒となったのか、どのような行為がライセンス違反として争われたのかなど、係争事例を検討することで、リスクを具体的に理解するとともに、防止策を解説します。

３．最近の注目すべき事例
　セキュリティ対策の脆弱性はOSSでも多数発生しています。しかし、利用企業の多くは、契約面の法的リスクも含め、リスクを十分認識できていないのが現状です。

・『GPLv3ドラフトの概要と改訂のポイント』(共著) NBL No.830(2006.4.1) 商事務
・『GPLv3 逐条解説書』(共著)　2010.5 独立行政法人情報処理推進機構(IPA)
・『プロジェクト・マネジメント義務に関する問題点』 (共著) ビジネス法務 2013.1 　中央経済社
・『トンデモ"IT契約"に騙されるな』 2013.5 日経BP社
・｢鼎談 情報システムの開発･運用と法務〜判例の蓄積状況と紛争処理の変化〜｣　NBL No.1050 (2015.5.15) 商事法務
・「ソフトウェアのセキュリティ対策の脆弱性により情報流出が生じた事件の判決の実務的検討-東京地裁平成26年1月23日判決　NBL No.1055(2015.8.1)」　 商事法務