昨年、SOFTICでは「Innovation Policyとしての著作権法〜次世代の著作権法を模索する」と題し、クラウド・コンピューティングなど最新技術を用いたビジネスやサービスの目まぐるしい進歩・発展に対し、著作権はどのように対応していくべきか、次世代の著作権法についてのセミナーを開催いたしました。

　 その後、著作権法など次世代の知財制度・システムの在り方について、政府の知的財産戦略本部の下に設置された「次世代知財システム検討委員会」において議論が重ねられ、先般、報告書が公表されるともに、政府の「知的財産推進計画2016」にもその内容が盛り込まれました。

　1990年代に始まった情報のデジタル化とインターネットによる時間・空間を超えるデジタル世界の形成は、今や、私たちの生活のあらゆる場面に浸透しております。また、動画配信などのデジタルコンテンツビジネス、民泊や自動車シェアリングサービスなど、デジタル世界における経済活動は、容易に国境を越え、グローバルな市場を形成しながら、ますます活発化しております。さらに、人工知能（AI）の発展は、人間とコンピューターの関係や、創作活動の在り方を根本的に変える可能性を秘めております。

　 こうした新しい時代の流れに対し、次世代の知財制度としてどのような仕組みが必要と考えられるか。元来、人が生み出す「情報」を保護するために生まれた知財制度は、生み出される情報量の増大・内容の多様化、利活用の多様化が進み、さらに、情報を生み出す主体すら変わりつつある中で、どのように対応していくべきか。また、次世代知財システムの構築にあたっては、国際的なハーモナイズの視点が不可欠であるところ、我が国としてどのように影響力を発揮していくべきか。

　 本セミナーでは、昨年度の政府の「次世代知財システム検討委員会」での議論を出発点としながら、次世代知財システムの在り方について広く議論や関心を惹起し知恵をさらに集めるべく、第一線の有識者による講演やディスカッションを開催させていただきます。

　 国際的に最先端の問題意識に立脚した本セミナーへのご参加を、心よりお待ちしております。

日本消防会館 ５階「大会議室」（東京都港区虎ノ門２−９−１６）
電話03-3503-1486
http://www.nissho-jyouhou.jp/nissho-hall/accesmap.html

○ 講　演（タイトルは仮称）
基調講演　次世代知財システムの検討と知財計画2016 内閣府知的財産戦略推進事務局
講演1　著作権制度について　（一社）日本写真著作権協会常務理事　瀬尾太一氏
講演2　人工知能と創作活動　リクルートRIT推進室長（AI研究所所長）　石山洸氏
講演3　デジタル環境でのコンテンツ産業振興　カドカワ（株）代表取締役社長　川上量生氏

○ パネルディスカッション
モデレータ：慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科　中村伊知哉教授
パネリスト：国立情報学研究所長/東京大学　喜連川優教授
骨董通り法律事務所　福井健策弁護士
（一社）日本写真著作権協会常務理事　瀬尾太一氏
リクルートRIT推進室長(AI研究所所長）　石山洸氏